羊水検査とは(Amniocentesis ; AC)

羊水穿刺のイメージイラスト

妊娠16週から行う確定検査です。
非常に細い針(25G)で行います(局所麻酔は行います)。
ほぼ100%染色体がわかります。羊水中の細胞を調べる検査になります。羊水の中には赤ちゃんの皮膚の細胞や尿に混じって腎臓や膀胱表面からこぼれてくる細胞に臍帯や羊膜由来の細胞も存在します。
0.1%〜0.3%に破水や流産などの合併症が起こると考えられていますが、当院では非常に細い針を採用し合併症頻度をさらに下げるように努めています。(合併症は針の太さ、穿刺する場所や回数、術者の経験数などに非常に関係があると言われています)万が一複雑な結果が出た場合も詳しくご説明いたします。
この検査は赤ちゃんの位置や臍帯の位置によって検査がすぐ始められる場合とできない場合があります。検査自体にかかる時間は2〜3分程度です。検査後は、60~90分程度院内でお休みいただいて、その後、再び超音波検査で胎児や子宮の状態を確認し、問題がなければお帰りいただきます。結果につきまして迅速検査(QF-PCR法)は2〜3日程度で、全ての結果は3〜4週間程度かかります(G分染法)。21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーなどの診断はもちろんのこと部分転座、重複、欠損などさらに細かな染色体の変化まで診断できます。

絨毛検査とは(Chorionic-villus sampling ; CVS)

絨毛穿刺のイメージイラスト

妊娠11週から15週までに行う確定検査です。羊水検査に比べて比較的早い時期に安全に行える染色体確定検査です。結果も羊水の染色体検査に比べると1ヶ月くらい早く行えるので1ヶ月ほど早く結果がわかります。
18Gと20Gという太さの針を使用します(局所麻酔は行います)。
赤ちゃんの位置に関わらず検査が可能です。赤ちゃんをつつんでいる膜(羊膜)をつき破らずに検査が可能なので赤ちゃんに針が当たることや破水の恐れは非常に少ないという特徴があります。ただ子宮の形や絨毛の位置が重要で、子宮後屈や絨毛位置が内子宮口に近い場合などでは適切な角度に変わるのを待ったりすることもあります。それでもリスクを伴うと判断した場合には当院ではより高い安全性を優先して妊娠16週以降の羊水検査まで待つことをおすすめする場合もあります。稀に付着程度の出血が出ることがあると言われています。
ほぼ100%染色体がわかる確定診断になります。稀に絨毛(胎盤の元になる臓器)の染色体と赤ちゃんの染色体が一致しないことがありCPM(胎盤性モザイク1〜2%)と言われ注意が必要です。万が一複雑な結果が出た場合も詳しくご説明いたしますが、再度羊水検査を行う必要があることも稀ですがあります。絨毛検査の流産リスクに関して以前は羊水検査に比べて高いと言われていましたが、経腹法では羊水検査と変わらないとの報告もあり、羊水検査とほぼ同等の0.3%程度と考えられています。
検査自体にかかる時間は約3分程度です。検査後は、60分程度院内でお休みいただいて、その後、再び超音波検査で胎児や子宮の状態を確認し、問題がなければお帰りいただきます。結果につきまして迅速検査(Fish法)は5〜6日程度で、全ての結果は3〜4週間程度かかります(G分染法)。
羊水検査と同様に21トリソミー(ダウン症)や18トリソミー、13トリソミーなどの診断はもちろんのこと部分転座、重複、欠損などさらに細かな染色体の変化まで診断できます。
さらにSNPマイクロアレイ法といって通常の染色体検査(G分染法)では診断がつかない細かな異常を調べる検査もあり、同時に行うことも可能です。特にNT肥厚(くびのむくみ)や胎児水腫を含む2つ以上の超音波所見に変化がある場合には検討してみることも必要です。仮に通常の染色体検査(G分染法)で変化がみつからない場合でも9.5%にSNPマイクロアレイ法で変化が見つかったという報告もあります。米国では1つ以上の超音波所見が見つかった場合にはSNPマイクロアレイ法が推奨されています。

遺伝カウンセリング(遺伝相談)

遺伝カウンセリングを行なっています。
例えば

  • 上の子供が遺伝あるいは遺伝子の病気と言われていて次の子供が欲しいけど遺伝が心配。
  • もしまた同じ病気が起こるとするとその確率はどのくらいか?

などをお調べしてご説明致します。
またママとパパのどちらかに遺伝の可能性がある病気があり、原因遺伝子などが判明している場合には妊娠した時に絨毛検査などでその遺伝子があるのかを妊娠中にお調べすることも場合によって可能です。まずはご相談くださいませ。