「妊娠中のトキソプラズマ感染症について(Toxoplasmosis)」

  • 2021.06.28
猫はなんにも悪くないのですが…

トキソプラズマ(Toxoplasma gondii)とは主にネコ科に寄生する人畜共通寄生虫です。

健康人であれば感染しても通常8割以上が無症状であったりリンパ管の腫れ、発熱、頭痛などの症状で治ります。

妊娠前に感染した場合にはほとんど問題になりません。

しかし妊娠中に初めて感染すると先天性トキソプラズマ症と言って胎児に影響が出ることがあります。

先天性トキソプラズマ症の症状は水頭症、脳内石灰化、網脈絡膜炎、てんかん、精神発達遅滞、貧血、失明などの症状を示します。

妊娠初期にママが感染した場合赤ちゃんの感染率は低いのですが感染してしまうと症状出現リスクは高い傾向にあります。逆に妊娠後期にママが感染した場合赤ちゃんへの感染率は高くなりますが、感染しても症状出現リスクは低い傾向にあります。(例えば妊娠12週で感染が起こった場合赤ちゃんへの感染率は約6%ほどですが症状が出るのは75%で、妊娠36週で感染した場合70%に赤ちゃんへの感染すると言われていますが、症状が出るのは15%ほどと言われています)  

そして妊娠初期に感染するほど症状は重いと考えられています。

妊婦健診では血液検査によりIgG抗体、IgM抗体を調べて今までに感染の兆候があるかを調べます。結果の見方は

  1. IgG抗体 陰性、IgM抗体 陰性 未感染 
  2. IgG抗体 陽性、IgM抗体 陰性 昔の感染 
  3. IgG抗体 陰性、IgM抗体 陽性 最近の感染
  4. IgG抗体 陽性、IgM抗体 陽性 最近の感染

3.や4.の場合にはアビディティー検査と言って追加検査を行います。2.の場合には感染リスクは低いと考えていいでしょう。

1.の場合注意が必要です!(ほとんどの妊婦さんはこれ)

1.の場合 今まで感染していなくてよかったのですが、今感染すると先天性トキソプラズマ症を発症する可能性があるので気をつけなければいけないグループになります。

もし最近の感染が疑われた場合血液検査と同時に胎児ドックでその時点で赤ちゃんに兆候が無いかなどもお調べします。

トキソプラズマは猫の排泄物に含まれていると言われています。食品では生の豚や牛、鶏、鹿、特にジビエやイノシシなどの野生の肉には注意が必要です。あとローストビーフ、生ハム、レアステーキなども注意が必要です。

公園の土や砂場の砂などは触らないようにしましょう。砂場や土の中にいるトキソプラズマの卵は1年くらい感染力を持つと言われます。ガーデニングなどの際には手袋を着用の上手洗いをしっかり行いましょう。

「もう昔からネコを飼ってるよ」という方はそのネコにトキソプラズマはいないかも知れませんが、妊娠中には排泄物の処理などの接触は避けたほうがいいでしょう。

感染頻度は少ないと考えられていますが、意識して予防することができる病気だということと症状が重篤ですので十分気をつけましょう!

万が一感染が確認されれば薬物治療を行います。ご相談いたします!

万が一感染が心配なママに対してはご連絡いただければご対応いたします。

To prevent congenital toxoplasmosis syndrome.It is said to be contained in cat excrement, and caution is required for raw pigs, chickens, deer, and especially wild meat such as gibier and wild boar. Also, be careful about roast beef, prosciutto, and rare steak.Do not touch the soil in the park or the sand in the sandbox. Toxoplasma eggs in sandboxes and soil are said to be infectious for about a year. When gardening, wear gloves and wash your hands thoroughly.

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