「つわり 妊娠悪阻」について
- 2022.04.10
つわり
妊娠したら初期症状として吐き気や嘔吐、食欲不振などの症状を「つわり」といいます。さらに重症になった場合に「妊娠悪阻(にんしんおそ)」と呼ばれます。
「つわり」は朝の空腹時に症状が出ることが多いため英語では「morning sickness」と表現されます。
時期や頻度は?
早い人で妊娠5週〜6週から始まり、8〜12週でピークを迎えて胎盤の完成する妊娠16週頃に自然軽快することが多いと言われています。
全妊婦の約50〜80%が経験すると言われています。
原因は?
はっきりとはしていませんが、妊娠すると増加するヒト絨毛性ゴナドトロピン(hCG)、エストロゲン、プロゲステロンといったホルモンが関係しているようです。他にも甲状腺から分泌されるホルモンの影響もあると考えられています。
症状
吐き気 嘔吐 唾液が増えたりまたそれを飲み込めなくなる 頭痛 眠気 食欲不振 食べたいものが変わる
特にすっぱいものが食べたくなる人も多いようです。
対策
- 基本的に数日くらい十分に食事ができていなくても赤ちゃんの発育に問題はありません。「赤ちゃんのために食べなくちゃ」という心配やストレスがつわりを悪化させることも。
- 食事は基本食べたいものを食べたい時に食べたい量だけとる。この時期には変に栄養のバランスなど考えると食べられるものがかなり限られてきます。キラいなものを無理して食べるより食べたいと思うものを少しづつでも口に入れたほうが長続きします。
- 安静 家事やお仕事を無理に続けるとよけいに症状が悪化します。ただ人によっては仕事をして生活にハリがあったほうが体調が良いという人もいらしゃいますがそんな人には安静はかえってよくない場合もあります。体調や体質に合わせて対策をしましょう。
- 空腹時に体調が悪くなることが多く朝起床時に何かすぐ食べられるように枕元に置いて就寝することも一つです。朝起きた時に用意した小さなおにぎりなんかをパクッと食べてみたら体調がいいママもいらっしゃいます。
ただ中にはつわりがどんどん悪化していく場合があります。
急に頭痛や吐き気などの症状が悪化した場合や体重が妊娠前に比べて5%ほど低下したような場合には妊娠悪阻といって
入院を含めた治療の対象となる場合があるので注意が必要でかかりつけ医師にご相談ください。
妊娠悪阻
嘔吐を繰り返していて病院で尿の検査をおこなって尿にケトン体が陽性や体重減少を5%認めるような場合には妊娠悪阻と診断されます。
治療
- 安静
- 脱水の治療 水分摂取 点滴を行う ビタミンB1が不足するとウェルニッケ脳症という病気が起こることが知られています。固形物は無理に食べなくても血栓予防のためなるべく水分は取るようにしたいです。
- 食事は少量を頻回に分けてとる。
- 薬による対応 かかりつけの病院やクリニックでご相談ください。産婦人科専門医から処方されるお薬は基本赤ちゃんに奇形が起こるとか胎児毒性については心配しなくてもよいと思ってください。お薬をのまずに症状が悪化する方がかえって心配です。
- 急に症状が出てくることがありますので症状が我慢できなくなる前にかかりつけのクリニックや病院にご相談をお勧めします。
- 場合によっては入院で点滴が必要な場合があります。さらに重症化する場合には24時間持続点滴や中心静脈栄養といって特殊な点滴を鎖骨部分から行うこともあります。
いかがでしたか?
つわりや妊娠悪阻は毎日どんどん悪化していくことが多く辛くなってきたなと思ったらまずご自分でできる対策を行なって、それでも症状が悪化するならかかりつけの病院などに早い目にご相談することをお勧めいたします。
お一人で頑張りすぎるのは良くありません!
個人差があるので決して「我慢が足りない」とかいう問題ではありませんし、友人や家族でもつわりが軽かった人のアドバイスは残念ながらあまり参考になりません。
当院では頑張るママを全力で応援いたします!
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